2012年8月19日から24日の6日間、アメリカ合衆国ミシガン州のバトル・クリークで第20回熱気球世界選手権が開催されました。
世界30カ国から99機が参加し、日本からは6名の代表パイロット(飯盛一保/佐賀県、水上孝雄/栃木県、藤田雄大/栃木県、須江哲洋/長野県、宮田浩樹/愛知県、児玉義実/栃木県)が参加してきました。
連日天候にも恵まれ、10回フライトと30タスクが行われ、まさに世界最高峰の競技会と云える質と量のタスクと、数々のすばらしいアプローチが披露されました。
8月19日 初日
AM #1HWZ #2FON #33Dshape
初日はバトルクリーク北側のエリアからの一斉離陸で3タスクが行われました。3Dshapeタスクは半径2km、3kmの円で造られるドーナッツ状のエリアの中にいかに長く航跡を残すかを競い合います。また、ドーナツの円の中心はパイロットが離陸の前に宣言するので、どこにドーナツを展開するのかも重要になってきます。
藤田は最初の2タスクを3m内、ドーナツも高得点と、全て900点代にまとめ、初日2位と好スタートを切りました。
PM:強風でキャンセル
8月20日 2日目
AM: #4GBM #5HWZ #6FON #7FON
下層は北東からの風、4000ft以上で西北西の風の中、4タスクが行われました。北から南へ、熱気球による大きな帯が造り出されました。
藤田は先頭集団のアメリカ勢に混じりながらのフライト。
世界チャンピオンのJohnyたちと一緒にターゲットへアプローチ。興奮の1フライトとなりました。
最後のFONを外してしまいましたが、平均758点を獲得、トップ10に食い止まります。
PM: #8PDG #93Dshape
午後は一斉離陸で、2タスク。ゆるい北風がベースになります。
離陸後にフラフラ変わる風に乗りきる事が出来ずPDGを外してしまいましたが、3Dパイで挽回、平均600点でトップ10内をキープ。上位には大本命のアメリカ勢を始め、スイス、ロシア、オーストラリアがいます。
8月21日 3日目
AM: #10CRAT #11HWZ #12HWZ
3日目も北東風メインで3タスクです。
HWZはターゲットが展開されるのではなく、地図上のゴールから好きな所を選んで良いという日本ではない斬新なものでした。
CRATでは奇麗なアプローチで969点を獲得したものの、大会側のロガーのエラーで150点の無謀飛行のペナルティを課せられてしまいました。HWZは大混戦で、1m以内にマーカーを投下したのが18機、73機が10m以内と超ハイレベルな戦いとなりました。
PM: #13PDG(Star) #14HWZ
日本チーム専属気象予報士の内藤さんの予報が的中し、地上風がかなり早い状況になりましたが、2タスクが実施されました。PDGは空間上のある一点を宣言し、そこをゴールとして目指します。計測はロガーによって行われます。
どちらも上手くまとめて、平均990点と高得点。上位グループに食い込みます!
8月22日 4日目
AM: #15PDG #16JDG #17MDD #18ELB #19FON
折り返し地点となる4日目からは地上付近では南風が入り、6000ft上空では北西風が残りました。ELBでは8000ft(2400m)まで上昇する、ダイナミックな展開となりました。
MDDでは低空べたべたに落としてのアプローチで、アメリカのNickに抜かされてしまったものの2番目の成績。あともう少しで1000ポイント獲得でした。2時間40分のロングフライトで、平均763点、上位争いに残ります。
PM: #20HWZ #21HWZ
午後も南風で2タスクです。
フラフラと読みにくい風で、ターゲットに寄せることが出来ませんでした。
アメリカ勢がトップ10に入り込んできます。
8月23日 5日目
AM: #22FIN #23JDG #24JDG #25LRN
世界選手権も佳境を迎える5日目の朝は4タスク。地上から少し高度を上げると20~30km/hの速い南風で4000ft以上上空には北西風が残ります。
アメリカ勢が離陸地選定に躊躇するなか、迷わず離陸。先頭グループでターゲットを目指します。 最初のFINでは、地上スレスレの風を捕え9cmの記録で1000点を獲得!続くJDGでも1,27mで1000点!!残る2つもまとめて、暫定成績は2位!トップを走るNickに迫ります。
PM: #26PDG #27PDG
風が変わったため#26は、HWZからPDGへ変更になりました。しかし一斉離陸地が競技地図の北側で風向きは南風…選択出来るゴールが非常に少ない状況でのフライトになりました。パイロット達はGOサインのグリーンフラッグが上がる前に自分の宣言用紙を持って、宣言ボックスまで走ります。
1つ目は290mと外してしまいますが、2つ目のPDGは1,76mで取り返し、平均789点。2位をキープします。最終日を残してトップ3が僅差で並びました。
8月24日 最終日
AM: #28FIN #29HWZ #30HWZ
速い南風の吹く中、最終日は3タスクが実施されました。最後にふさわしく、ほとんどのパイロットがフィールドの中にマーカーを投下しcmでの戦いが繰り広げられました。
FINは0,61m、HWZで1,85mと高得点を獲得。#29終了時点ではNickをかわして、トップに躍り出ました!しかし最後のタスクではアプローチ前に風が変わってしまい212mと寄せる事が出来ず、大きくポイントを落としてしまいます。
最後に寄せてきたNickが、28歳の若き世界王者の座に輝きました!
表彰式
Nick Donnerが第20回熱気球世界選手権チャンピオンに輝き、続く2位には前回世界チャンピオンのJohnny Petrehn、そして3位に藤田が、日本の気球歴史上初となるメダルを獲得!!表彰台に日の丸を掲げてきました!
2位のJornnyとの差はたったの44点。あともう少しで世界一という悔しさも残りますが、それ以上にアメリカ優勢のバトルクリークでここまで戦ってこれたこと、世界一まで僅かという事を体感出来たことが次の世界選手権に大きく繋がると思いました。
この想いは、2014年ブラジル大会で!!
日本代表チームを応援して下さった皆さま、本当にありがとうございました!
Photo Thanks @ Andrea & Kubo-san & Shino-san
帰国後、国土交通大臣 羽田雄一郎氏に御挨拶に伺いました。
フォトギャラリー
Final Results
20th Hot Air Balloon World Championship 2012 Battle Creek USA
Rank | Pilot | From | Total Score |
1 | Nick Donner | USA | 24030 |
2 | Johnny Petrehn | USA | 23423 |
3 | Yudai Fujita | JPN | 23379 |
4 | Chase Donner | USA | 22508 |
5 | Uwe Schneider | GER | 22229 |
6 | Nicolas Schwartz | FRA | 22125 |
7 | Cory Bloom | USA | 22063 |
8 | Sergey Latypov | RUS | 22053 |
9 | Stefan Zeberli | SUI | 21852 |
10 | Matthew Scaife | AUS | 21849 |
13 | Takao Mizukami | JPN | 20507 |
15 | Hiroki Miyata | JPN | 19759 |
50 | Yoshimi Kodama | JPN | 16138 |
61 | Tetsuhiro Sue | JPN | 15595 |
67 | Kazuyasu Isakari | JPN | 14680 |
■ is UltraMagic balloons!!
コメントをお書きください
隠れ雄大ファン (木曜日, 20 9月 2012 22:01)
銅メダルおめでとうございます。
お疲れ様でした。
いつも応援しています。
私の夢も一緒に乗せて飛んで行け!!(^_^)v